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2003年現在、国・地方の長期債務は約700兆円であるといわれている。財政破綻が話題にされるが、これは外国から借りた借金ではないので、決して財政破綻はあり得ないことを示そう。例えば、国・地方の借金が10倍の7000兆円になったとしよう。もし、これが市場に流れれば金利高騰等の弊害があるが、日銀が必要額買いオペをすれば、市場には影響しない。金利が高騰すれば、利払いが大変だと思うかも知れない。例えば金利が5%になったとしよう。このとき、7000兆円の債務に対する利子は350兆円である。しかし、国債の大部分を日銀が持つとすれば利子は日銀に払うことになる。これは日銀の経常利益となり、剰余金と言われるものであり、政府に返すことになっている。つまり、政府は利子をそのまま受け取ることになり、自分で自分に払うことになるから、実質利子は払わなくてよい。 |
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では、7000兆円の借金の返済は可能だろうか。これが、企業や個人の場合は不可能だが、政府の場合は事情が全く異なる。次の3つのケースを考えよう。 |
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1.緊縮財政:名目成長率は0%、財政赤字は毎年30兆円。 |
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2.積極財政:名目成長率は5%、財政赤字は毎年50兆円。 |
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3.積極財政:名目成長率は5%、財政赤字は毎年100兆円。 |
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図1で分かるように、緊縮財政では、借金は増えるばかり。一方積極財政では、どんどん、借金の重みは減っていく。例えば2.の場合を考えると |
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分母が5%増えるということは、分子が5%減ることに等しい。これは334兆円の借金を返済することに等しい。 |
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つまり、借金を減らすより、GDPを増やした方が遙かに簡単である。もっと名目成長率が低い場合を次に示す。 |
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1.緊縮財政:名目成長率は0%、財政赤字は毎年30兆円。 |
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2.積極財政:名目成長率は3%、財政赤字は毎年50兆円。 |
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3.積極財政:名目成長率は5%、財政赤字は毎年50兆円。 |
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結果は図2で示された。成長率が早いほど、借金の重みが早く減少する。 |
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結論として、どんなに国の借金が増えようと、政府は国債を発行することができ、破綻することはあり得ない。市場でさばけきれなくなったら、日銀が買いオペすればよいだけであり、何の問題も起こらない。経済の成長が続く限り、国の債務のGDP比を減少させることが出来る。成長の速度が速まれば、減少の速度も速まる。 |
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